“熱い” 北海道の行方
2022年1月5日
いつの世にも熱い気持ちを前面に押し出す選手はいるものだ。中途半端にクールを気取るくらいなら、たとえ失敗をしても熱く戦ったほうが、そこから得られるものも多いのではないか。特に中学生年代であれば、熱く、がむしゃらなくらいが、かっこいい。
「Jr.ウインターカップ2021-22 2021年度 第 2 回全国 U15 バスケットボール選手権大会」の男子 2 回戦、前回大会 3 位のレバンガ北海道 U15 は千葉ジェッツ U15 に57-75で敗れた。
試合後、「やっぱり悔しいですね」と言葉を絞り出したのはレバンガ北海道 U15 のキャプテンの #6 谷藤大介である。気持ちを全面に押し出したプレーでチームを鼓舞し続け、相手とのコンタクトでコートに叩きつけられてもすぐに起き上がって、勢いよく駆け出す。その熱さは最後まで尽きることがなかった。
谷藤本人は千葉ジェッツ U15 戦をこう振り返っている。
「チームとしても試合の入りはよくて、自分自身も 1 対 1 はできていたところもありました。でも流れが悪くなったとき……普段の練習では自分がうまくいかないときはチームメイトにボールを渡したり、アシストしているところが、今日は『自分が何とかしなきゃ』という感じになって、ターンオーバーにつながるなど、その修正ができていませんでした」
チームをひとつにまとめていた熱さが、その一線を越したとき、冷静さを失うまでに至ってしまったのかもしれない。
なぜそこまで熱くなれたのか。
それは #9 中辻竜哉との約束があったからだ。2 人はともに前回大会の 3 位を主力メンバーとして経験しており、彼らは「来年もここに戻ってきて、優勝しよう」と約束をしていた。その約束があったからこそ、1 年間、厳しい練習にも頑張れることができた。最後は悔しい終わり方になってしまったが、その 1 年は間違いなく彼らを大きく成長させた。
1 年だけではない。3 年間を過ごしたレバンガ北海道 U15 での経験も、谷藤にとっては大きな財産になったと言う。
「レバンガ北海道 U15 に入って、それまで夢だった全国大会が現実になったり、トップチームの練習に参加させてもらうなど、いろんな経験をさせてもらいました。プロを間近で感じられたことで、僕自身の夢が明確になったことが何よりの収穫だったし、前回大会で 3 位になるなど、本当にたくさんの経験をさせてもらって、そこはチームに感謝しきれないほどです。その経験を生かして、これからも頑張っていきたいです」
B.LEAGUE のユースチームは、例年であれば 3 月に「B.LEAGUE U15 CHAMPIONSHIP」がおこなわれる。谷藤も出場を視野に入れていると言う。
この負けを生かすかどうかは、他ならぬ彼自身にかかっている。熱さはチームメイトを惹きつけるが、一方で度を超すとチームを崩壊させかねない。「心は熱く、頭は冷静に」とはよく言われることだが、それを痛感させられた熱い “レバンガ男子” の戦いは、まだ終わらない――。