現地レポート

「失敗から学べ」と臨んだ広島ドラゴンフライズ U15

2022年1月6日

 大会 3 日目となった「Jr.ウインターカップ2021-22 2021年度 第 2 回全国 U15 バスケットボール選手権大会」 (以下、Jr.ウインターカップ)。3 回戦に登場した広島ドラゴンフライズ U15 は、横浜ビー・コルセアーズ U15 A と対戦した。

 試合は、広島 U15 が 4 点のビハインドで前半を終える。しかし後半、広島 U15 は猛追を仕掛け、横浜 U15 A に食らい付いていく。だが残り 3 秒、横浜 U15 A に 3 ポイントシュートを決められてしまい、万事休す。準々決勝進出はならなかった。

「前半は相手のオフェンスに付き合ってしまいましたが、後半は仕掛けるディフェンスをすることができました」と試合を振り返ったのは、尺野将太ヘッドコーチ。

 試合では、ハーフタイムに「元気がないよね。楽しそうじゃないよね。どうすればいいと思う?」と指揮官は選手たちに投げかけたという。そこで選手たちが主体となって出した答えが『プレッシャーディフェンスを仕掛ける』こと。後半はそれを見事に体現し、接戦へと持ち込んだのだ。

 尺野ヘッドコーチは、日頃から『選手自身が考える』ことを意識した指導を行っており、試合のタイムアウトでは、まず最初に選手たちが話し合い、その後、スタッフからアドバイスを送るという流れになっている。

「(プレーに関して)『こうしなさい』ということはあまり言わないです。(目的への) やり方は選手それぞれなので、そこに関しては選手自身が考えることができるようにしています」と尺野コーチ。

 その考えは、選手にもしっかりと伝わっているようで、この試合22得点10リバウンドとダブルダブルを達成した #18 南川陸斗も「尺野コーチの考え方として自分で考えさせるというのがあり、それが全体に浸透しています。僕もそこがドラゴンフライズに入って特に伸びたところです。自分たちの今の課題は何なのか? をタイムアウトでまずは選手たちで話し合い、それからコーチの話を聞く。この共通認識があることは、すごくいいなと思っています」と言う。

 また、尺野コーチの指導方針には、『まずはレイアップシュートを狙う』ということもある。これは、「中学時代に積極的にペイントエリアに入ってディフェンスと体をぶつけながらもシュートを打つことを経験してほしい」という思いから。

「シュートが入っても入らなくても経験。中学だけの成功体験で上のカテゴリーに行くと、それが足かせになることもあるし、この世代は失敗もそれが良い経験になると思います」と尺野ヘッドコーチはその思いを語った。

 失敗からの『学び』を成長の糧に――。その先も続くバスケット人生を考えた指導の下、広島 U15 の選手たちは 3 試合を伸び伸びと戦い抜いた。

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